カスピカイアザラシの概要
カスピカイアザラシは、世界で唯一カスピ海にだけすんでいるとてもめずらしいアザラシです。カスピ海はロシアやカザフスタン、イランなどに囲まれた大きな湖で、海のように広いですが、実は「湖」です。このアザラシは、そのカスピ海にしかいない固有種とよばれる、とっても特別な存在です。
体の大きさは、アザラシの中では小柄で、大人でも体長1.2〜1.5mほど、体重は50〜90kgほど。体の色は灰色っぽく、こげ茶のようなまだら模様がある個体もいます。まるっこい体に、つぶらな目、小さな耳のない頭が愛らしく、水族館でも人気があります。
カスピカイアザラシの生息地域
カスピカイアザラシは、カスピ海のまわりの海岸や氷の上、島などに住んでいます。特に冬は、カスピ海の北のほうにできる氷の上でくらし、春には赤ちゃんを産みます。季節によって移動しながら、エサをさがしたり子育てをしたりしています。
カスピカイアザラシの赤ちゃん
冬の終わり〜春のはじめにかけて、氷の上で赤ちゃんを産みます。赤ちゃんは真っ白でふわふわの「ラン毛(もう)」におおわれていて、とてもかわいい見た目です。お母さんは赤ちゃんに脂肪たっぷりのミルクをあげて、短い期間でしっかり太らせます。その後、泳ぎ方をおぼえて、自分でエサをとれるようになります。
カスピカイアザラシの食事
カスピカイアザラシは、カスピ海にすんでいる魚(とくにカスピカタクチイワシなど)や、エビ・カニなどの小さな生き物を食べています。泳ぐのがとても得意で、水の中ではスイスイ自由に動けます。ときには深くもぐってエサを探すこともあります。
カスピカイアザラシの一生
自然の中では、30〜35年ほど生きるといわれています。オスよりもメスのほうが長生きする傾向があります。
カスピカイアザラシを取り巻く状況
カスピカイアザラシは、かつては100万頭以上いたとされるほどたくさんいたアザラシでしたが、現在では絶滅の危機にある動物とされています。
理由はいくつかあり、主に以下のようなものがあります。
・海の汚染(特に工場や油による水質悪化)
・漁業によるエサの減少
・氷の減少による出産環境の悪化
・ウイルス感染などの病気の流行
そのため、今では国際的にも「絶滅危惧種」として保護されています。カスピ海の自然を守ることは、カスピカイアザラシの未来を守ることにもつながっています。