チチュウカイモンクアザラシの概要
チチュウカイモンクアザラシは、世界で最も絶滅に近いアザラシの1種です。とても珍しく、いまでは数百頭しかいないといわれています。名前のとおり、地中海周辺にすむアザラシで、見た目はすっきりした顔立ちに、つぶらな目とまるっこい体が特徴。どこかおだやかで、ちょっぴりさびしげな表情をしています。
大人の体長は約2.4m、体重は250〜300kgほど。毛の色は茶色がかったグレーで、赤ちゃんのときはふわふわの黒っぽい毛に白い模様が入っています。とても静かでおだやかな性格とされ、人をおそれずに近くまでやってくることもあります。
チチュウカイモンクアザラシの生息地域
チチュウカイモンクアザラシは、かつては地中海沿岸の多くの国に広くすんでいましたが、いまではギリシャ、トルコ、モロッコ、マデイラ諸島など限られた地域にしかいません。岩だらけの海岸や、誰も来ないような洞窟の中で休んだり、赤ちゃんを育てたりしています。
昔はビーチなどの開けた場所にもいましたが、人間の開発や観光などで住みにくくなり、いまでは人目のつかない静かな場所を選んで暮らすようになっています。
チチュウカイモンクアザラシの暮らし
普段は1頭か親子で行動し、あまり群れを作りません。昼間は洞くつや岩の上で休み、夜や朝方に海へ行ってエサをとることが多いと考えられています。
チチュウカイモンクアザラシの食事
主に魚やイカ、タコなどを食べています。泳ぎはとても上手で、浅い海でも深い海でも自由に動き回ることができます。長いときには10分以上もぐってエサをさがすこともあります。
チチュウカイモンクアザラシの赤ちゃん
赤ちゃんは1年に1頭だけ生まれます。お母さんアザラシは、洞くつの中の砂浜や岩場で出産します。生まれたばかりの赤ちゃんは、黒くてふわふわの毛におおわれており、白い模様が体の真ん中に入っているのが特徴です。数週間の間、お母さんから脂肪たっぷりのミルクをもらって育ちます。
チチュウカイモンクアザラシの一生
チチュウカイモンクアザラシは、自然の中で25〜30年ほど生きるといわれています。天敵はあまりいませんが、人間の活動が最大の脅威となっています。
チチュウカイモンクアザラシはなぜ絶滅が心配されているのか
最大の理由は、人間による海岸開発、観光、漁業とのトラブルです。住処がなくなったり、漁の網にからまって命を落とすこともあります。また、汚染された海の影響も受けています。いまでは国際的に保護されており、多くの団体が数を回復させようと努力しています。
チチュウカイモンクアザラシは、静かな海辺でひっそりと暮らす、やさしい目をしたアザラシです。今ではほんのわずかしか残っていませんが、私たちが自然を大切にすれば、きっと未来にもその姿を残すことができるはずです。