ロスアザラシの概要
ロスアザラシは、南極だけに住んでいる、とても珍しいアザラシです。見た目はまるっこくて、顔が小さく、つぶらな目が特徴です。体はずんぐりとした形で、ちょこんとした顔とのバランスがユニーク。ほかのアザラシとくらべて、どこか「ぬいぐるみっぽい」ともいえる見た目をしています。
名前の「ロス」は、南極探検家の「ジェームズ・ロス」にちなんでつけられました。発見されたのは1841年と、とても昔から知られているのに、今でも生態がよくわかっていない謎の多いアザラシでもあります。
大人のロスアザラシは、体長約2m、体重は130〜200kgほどです。毛の色は銀灰色〜灰褐色で、おなかのあたりは少し明るい色をしています。とくに首のあたりには、すじのような模様が入っていることがあり、それも特徴のひとつです。
口のまわりは小さいですが、大きな声を出すのが得意で、歌うような音を出すことも知られています。氷の下でコミュニケーションや縄張りの主張に使っているのではないかと考えられています。
ロスアザラシの生息地域
ロスアザラシは、南極大陸を取り囲む流氷の上で暮らしています。他のアザラシのように広い範囲を動き回ることは少なく、南極の中でもかなり限られた場所にしかいません。そのため、なかなか人間の目にふれることがなく、調査も難しいのです。
ロスアザラシの食事
ロスアザラシは、主にイカや魚、オキアミなどを食べています。泳ぎが上手で、海の中でエサをさがして自由に動き回ります。とくにイカが好物とされていて、「イカ食いアザラシ」と呼ばれることもあるくらいです。
ロスアザラシの赤ちゃん
出産は、ほかのアザラシと同じように流氷の上で行われますが、実際に観察された例が少なく、詳しい子育ての様子はまだよくわかっていません。しかし、ほかのアザラシ同様に、赤ちゃんには脂肪たっぷりのミルクをあげて育てていると考えられています。
ロスアザラシの一生
ロスアザラシの寿命は詳しくはわかっていませんが、他の同じくらいの大きさのアザラシと同じで、20〜30年ほど生きると考えられています。
ロスアザラシを取り巻く状況
ロスアザラシは、南極の遠い場所にひっそりとすんでいるため、直接の人間の影響はあまりありません。現在は「絶滅のおそれは少ない」とされていますが、地球温暖化によって流氷が減ってしまうと、住処がなくなる可能性もあり、今後の観察や保護が必要です。
ロスアザラシは、南極の静かな海で暮らす、なぞの多いアザラシです。見た目はかわいらしく、声はおどろくほど大きくて美しい。あまり人目にふれないところで、ひっそりと生きている存在です。これからもっと研究が進み、その不思議な暮らしぶりが明らかになるのが楽しみなアザラシです。