タテゴトアザラシの概要
タテゴトアザラシは、北極に近い寒い海にすんでいるアザラシの一種です。大人になると、背中にたてごとの形に似た黒い模様があらわれることから、「タテゴト(竪琴)アザラシ」と名づけられました。この美しい模様が、とても印象的なアザラシです。
大人のタテゴトアザラシは、体長1.7〜1.9mほど、体重は130〜160kgくらいあります。全体的にスマートな体つきで、顔はやさしそうなまるい形。目が大きく、くりっとしていて、かわいらしい見た目をしています。
タテゴトアザラシの生息地域
タテゴトアザラシは、北大西洋の寒い海に広く分布しています。グリーンランドやカナダの東海岸、ノルウェー、ロシアなどの地域で見られ、とくに春先には、氷の上で赤ちゃんを産むためにたくさんの群れが集まります。出産シーズンには、数千頭〜数万頭のアザラシが氷の上に集まる光景が見られ、とても壮観です。
タテゴトアザラシの暮らし
基本的には群れで生活していて、出産や換毛の時期には大きな集団をつくります。普段は流氷の上や海岸近くで休んだり、エサを求めて海の中を旅したりしています。オスとメスの体の大きさや模様はあまりちがわず、どちらもたてごとのような模様がはっきり出てきます。
タテゴトアザラシの食事
タテゴトアザラシは、主に魚(ニシン、タラなど)やオキアミ、イカなどを食べます。泳ぎがとても上手で、氷の下にもぐってエサを探します。1回の潜水で数分〜10分ほどもぐることができ、1日に何回もエサをとりに行きます。
タテゴトアザラシの赤ちゃん
タテゴトアザラシの赤ちゃんは、ふわふわの真っ白な毛におおわれていて、とにかく「ぬいぐるみのようにかわいい!」と大人気です。この白い毛は「ラン毛(もう)」とよばれ、体温をたもつための大切な毛です。
赤ちゃんは生後1〜2週間ほどでミルクだけで育ち、その間にどんどん太っていきます。その後、白い毛が抜けて、灰色の大人の毛に生えかわっていきます。
タテゴトアザラシの一生
野生ではだいたい25〜30年生きるといわれています。天敵はシャチやホッキョクグマなどですが、流氷の上で集団でくらすことで、ある程度の安全を保っています。
タテゴトアザラシを取り巻く状況
タテゴトアザラシは、現在はそれほど絶滅の心配はされていませんが、過去には毛皮目的の乱獲で大きな問題になりました。特に赤ちゃんの白い毛はとても高く売れたため、多くが捕まえられてしまった歴史があります。現在は多くの国で保護されており、乱獲は禁止されていますが、地球温暖化による流氷の減少が新たな問題となっています。赤ちゃんを産む場所が減ると、子育てが難しくなってしまうのです。